キャリアの迷いを行動に変える魔法の鍵 〜ジャーナリングのすすめ〜
- Takuya Oyashiki
- 12月4日
- 読了時間: 4分

1.「このままでいいのかな」と迷う瞬間
仕事に大きな不満があるわけではないのに、「このままでいいのだろうか」と感じる瞬間。
周囲がキャリアアップしていく中で、自分だけが立ち止まっているように思える――そんなモヤモヤを抱えながら日々を過ごしている方は少なくありません。
現状を変えたい気持ちはあるものの、いざ行動となると不安が押し寄せてくる。
「今より悪い環境になったらどうしよう」
「転職して失敗したら取り返しがつかないのでは」
こうした思考が、前進しようとする気持ちにブレーキをかけてしまうのです。
2.悩みを「考えすぎる」ことの落とし穴
多くの人は、迷いや不安を「もっとよく考えれば解決できる」と信じています。
しかし、頭の中で同じことを繰り返し考えるだけでは、思考は堂々巡りを続けるばかり。
結果として、行動には結びつかず、モヤモヤはむしろ深まっていきます。
これは「考える」という行為が、思考を整理するどころか、感情を増幅させてしまう場合があるためです。
特にキャリアのように「正解のない問い」では、頭の中に留まったままの思考は次第に不安を肥大化させてしまいます。
3.行動を生み出す“魔法の鍵”
そんなときに有効なのが、“ジャーナリング”です。
ジャーナリングとは、頭の中の考えや感情を、思いつくままに紙に書き出すシンプルな手法のこと。
驚くほど簡単ですが、その効果は大きいものです。
言葉にすることで漠然とした不安が形を持ち、「自分は今、何に迷っているのか」「本当は何を望んでいるのか」が見え始めます。
曖昧だった思いや不安を“外に出す”ことで、初めて客観的に自分を理解できるようになるのです。
4.「書く」ことで起こる変化
実際にジャーナリングを始めたある人は、最初はわずか数行、「今日感じたこと」を書くだけでした。
それでも続けるうちに、自分がやりがいを感じる瞬間、自分らしくいられる時間が明確になっていきました。
半年後、その人は迷いのない顔で新しいキャリアを選び取り、「自分の言葉を書くうちに、答えが出ていた」と話しています。
こうした変化は偶然ではありません。
テキサス大学のジェームズ・ペネベーカー教授の研究でも、ジャーナリングはストレス軽減や自己理解の促進、志向の明確化に効果があるとされています。
言語化によって思考が整理されることは、科学的にも裏づけられているのです。
5.「考える」から「書き出す」へ――正しいアプローチ
悩みを抱えたとき、すぐに答えを出そうとする必要はありません。
まずは「考える」ことをやめ、「書き出す」ことから始めましょう。
紙に、いまの気持ちを一言でもいい。
「今日は少し気が楽になった」
「上司に感謝された」
――そんな小さな出来事を書き留めるだけで、心の中にゆるやかな整理が起こり始めます。
ジャーナリングは、考えを外化することで行動のきっかけを生み出す行為です。
行動を変えなければ状況は変わりませんが、その前段階として「考えの整理」が欠かせません。
6.自分ひとりで抱え込まない
ただし、一人で試みると途中で筆が止まり、「何を書けばいいか分からない」と悩むこともあるでしょう。
そうしたときには、信頼できるコーチや専門家にサポートを得るのがおすすめです。
第三者の視点を通じて思考を掘り下げると、自分では気づけなかったパターンや強みが見えてきます。
私自身もキャリアに迷い、方向性を見失った時期がありました。そんなとき、言葉にして整理するプロセスを経て、初めて自分の軸に気づくことができました。
今はコーチとして、人が自分の言葉を取り戻し、内側の声に立ち返る瞬間を支えることをライフワークとしています。
キャリアの迷いを解く鍵は、外から与えられるものではなく、自分の中にすでに存在しています。それを見つけ出す最初の一歩が、“書くこと”なのです。
【まとめ】
考え続けても答えが見つからないときは、“書いて整理する”ことが効果的。
ジャーナリングは自己理解を深め、行動へのスイッチを押す。
小さな一行から始めてみよう。
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